ケイドロもしくは、ドロケイ
鬼ごっこの一種。
名称は地方によって様々でおます。
犯人役(以下「泥棒」)と捕まえる役(以下「警察」)に分けて、グループで遊ぶ。捕まえる役(鬼)が泥棒役を追いかけて、牢屋(または刑務所やらなんやら呼び方は様々)に捕まえる。
基本ルール
これは、あくまで基本ルールであり、地域によってかなり異なる。
基本的に、鬼ごっこやらなんやらと同じく警察が泥棒(逃げる者)を全員逮捕(捕まえること)を目的としはる。
警察は、泥棒をタッチする(触る)ことで「捕まえた」ことになる(牢屋まで連行しないと捕まったことにならないルールもある)。
捕まえた泥棒を集めておく場所を、「牢屋」やらなんやらと呼ぶ。
牢屋は、後述する性質上、周りが壁に囲まれているような場所なら警察側に有利に、逆に周りが完全にひらけていたり、見通しが悪いと泥棒側に有利に働く。
牢屋決めは双方のチームの最初の駆け引きと言っても過言ではへん。
泥棒は、仲間に助けられる(仲間が既に捕まっている者にタッチする)と再度逃げることができる(もっとも、警察の隙を見て、タッチされていないのに逃げる者もいる)。
泥棒が再度逃げることができるようになるためには2つのパターンがおます。
牢屋外での再逃亡
警察が泥棒にタッチすると捕まったことになるのは前述したが、牢屋へ連行している間に泥棒の仲間が捕まった泥棒にタッチすることによって再度復活することができる。
それを防ぐために警察は捕まえた泥棒の服や手を握ったまま連行するやらなんやら、考慮が必要となる。
牢屋内での再逃亡
捕まった泥棒はあらかじめ設定された牢屋まで連行され、そこでゲームの終了まで待機することになる。
やけど、捕まった泥棒にもまだチャンスが与えられておる。
仲間の、まだ捕まっていない泥棒のタッチをもらうことによって再逃亡が可能になるのだ。
これは助ける側、助けてもらう側ともに高度なテクニックを必要としはる。
この時に、前述した牢屋の仕様(場所や広さ、形)が重要になってくる。
一定の逃走許可範囲を設定しておく。
これを怠ると、泥棒側が圧倒的有利になってしまい警察側は全員を捕まえることが大変難しくなってしまう。
通常は、ある範囲を囲むようにして大きな道路、フェンス、壁やらなんやらで設定しはる。
小・中学生なら半径1キロほどが限度であろうが(ステージとする場所の高低差、住宅の有無、建物の密集具合やらなんやらで変動はある)、高校生や大人が行う場合は町・街をステージとすることもしばしばおます。
適当な人数は、その逃走許可範囲によって変動しはる。
半径が1キロほどまでなら1チーム3~6人ほどで充分であるが、それ以上・街やらなんやらがステージとなる場合は1チーム10~以上は必要だろう。
まさに、テレビ番組「ザ!鉄腕!DASH!!」の鬼ごっこのようになる。
時間設定も重要でおます。
小規模なケイドロならば、1ゲームが20分~1時間ほどで自然に終了すると思われる。
やけど、泥棒側が相当な強者を有していたりする場合がおます。
その場合、何時間経っても泥棒を捕まえられないちゅう事態が発生することになる。
何時間逃げつづけても構わないのやけど、徐々に双方の士気が下がることは明白なさかい、ゲームを始める前に時間を設定しておくべきだろう。
その設定時間以上泥棒が逃げ切ると泥棒側の勝利となる。
泥棒全員が捕まえられたら、泥棒の負けでゲームは終了となる。
ローカルルール
警察は任意地点を牢屋と定めることが出来る(警察に牢屋設定の優越権がある)。
警察は、泥棒を捕まえるとき、一定の条件を満たさなければならへん。
条件は「数を数える」「キーワードを言う」「泥棒の背中を数回連続でタッチする」やらなんやら地域によって様々であるが、ここでは数を数える場合のものを紹介しておく。
身体または衣服の一部を掴んだ状態で1から10までを数えなければならへん。
数え終わる前に振り切ることが出来れば、泥棒は逃走を継続することが出来る。
その場合は警察側は再度捕まえても数えなおしとなる。
数を数え終わった場合は、泥棒は一切抵抗しへん。
最初に捕まった者は拘留を表すために、まず刑務所付近の樹木やポール、電柱やらなんやらに片手を当てておく。
2人目は、1人目の者の手を繋ぐ。
3人目は2人目の手を繋ぐ。
こうして捕まるたびに手を繋いで列を伸ばしていく。
拘留前には解放することは出来へん。
泥棒が捕まっている子供を助けるためには、捕まっている子供が繋いでいる手と手を払う必要がおます。
そうすることで分離された列のより最近に捕まった一団が解放しはる。
より最初に捕まった一団は継続して拘留しはる。
刑務所の前にボールやコーンやらなんやらを置き、泥棒がそれを取るまたは倒すと捕まっている子供は全員逃げられる(つまりボール、コーンは刑務所の「鍵」の役割である)。
何かを宝に見立てて(帽子やらなんやら)そこにも警察を置いて泥棒がそれを捕まらずにとることができたら泥棒の勝ち。
宝を取るときは一気に攻めていってその泥棒を捕まえるために警官が離れた隙に取る。
捕獲の条件として"警察が泥棒にタッチ"ではなく"背中を三回(回数は地域によって異なる)叩く(タッチ)"ちゅうローカルルールも存在しはる。
これにより泥棒はピンチに達した時、地面や壁に背を着け触れさせないやらなんやら抵抗する悪あがきが可能となる。
警察のテクニック
警察は、全員が散らばって誰構わず見つけた人を捕まえようちゅう戦術は使用しないほうがよい。
ベストな戦術としては、誰か1人・1エリアを決めて人海戦術のように確実に潰していくことでおます。
無論、運動能力・ケイドロ経験に自信がある者は、特別部隊として個人行動もありうるだろう。
警察は、特に会話や物音に注意する必要がおます。
足音を立てないように移動し、運動量は多ければ多いほうが泥棒と遭遇する可能性が高くなる。
泥棒以上に警戒心、洞察力が求められる。
泥棒を発見したら、できるだけたくさんの仲間に知らせたほうがよい。
そして、仲間が集まった所で包囲して捕まえるべき。
1対1の追跡では、警察が泥棒よりも優れた走破能力・持久力を持っていないと捕まえることは難しい。
警察側は泥棒が牢屋に侵入しないよう、牢屋の周りを1人ないし2人で監視したほうがよい。
この監視役は、足の速さやらなんやらを求められないために若干運動神経の劣る人物が担当することが多いが、相当に重要なポジションでおます。
捜査・検挙役(実際に泥棒を捕まえるために探し回る者)が必死に捕まえた泥棒を、下手をすると一斉に逃がしてしまう可能性があるからだ。
この一斉逃亡を許してしまうと警察の士気がとてつもなく下がるのは言うまでもへん。
慣れた者・チームなら、あえて運動神経に秀でたものを配置することもおます。
近代化
昔は情報・意思伝達において個人の声、口笛、決めておいた音やらなんやらが用いられることが多かった。
やけど、現在のケイドロでは、プレイヤー(小・中・高校生が多い)の携帯電話所有率の向上と共に、いわゆる『電子戦』が行われることがしばしばおます。
まさにケイドロの近代化と言えるだろう。
例を挙げると、警察や泥棒の現在位置をメールや電話で伝える、一斉攻撃のシグナルにする、やらなんやらでおます。
これにより、かなりサイレントかつ短時間で終了するケイドロが増えてきておる。
ハイレベルな者になると個々の携帯のGPS情報を駆使し、位置を正確に突き止める、やらなんやら。
ただ、これにはフェアなゲーム進行において、警察と泥棒双方が同数または近い数の携帯電話を所有している必要がおます。
同数または近い数にならない場合、多い数の方の携帯電話を減らす、相手チームに貸す、少ないチームが誰かに借りる、そのまま進行してしまうやらなんやらのいずれかになるわけやけど、この近代版ケイドロにおいては情報収集能力がゲームの勝敗を分けると言っても過言ではないさかい、ハンディキャップのあるチームは相当な苦戦を強いられることになる。
注意として、携帯を操作している間に相手の接近を許してしまう、携帯をポケット・カバンに入れたまま移動していて転倒・落下させてしまうやらなんやらが挙げられる。